2023年4月、東京都町田市に町田駅前ブレストクリニックが開業いたしました。 院長は大学病院やがん専門病院に勤務され、たくさんの乳がん患者さんと出会い、手術や薬物療法、緩和療法などの治療に携われた柴山朋子先生。 開業にあたり、ゆっくりと患者さんと向き合い、たくさん相談しながら、共に前を向けるようなクリニックを作りたいというホスピタリティ溢れる先生の思いと、マンモグラフィーの検査室にウォールアートを取り入れ、検査での痛みや不安感を少しでも和らげることの出来る空間を作りたいというご依頼をいただきました。 病院内に落ち着きとリラックス効果をもたらし、緊張感を緩和することができるウォールアートとキャンバス作品をご提案。 担当したのは、田村久美子。自然が織りなすその土地にしか無い色、匂い、時、一瞬たりとも同じ表情をみせない唯一無二の風景を描く作家です。 「落ち着き」「検査室ではないような空間」をキーワードに使用する細かい色の配置、キャンバスの形など検査室に入った患者さんの気持ちを思い浮かべながら細部にわたりディスカッションを重ねラフ案を作成。 そしてマンモグラフィー検査室のウォールアートはWSもしながら、絵が大好きな子ども達に最後の仕上げのお手伝いをしてもらい完成しました！ 美しい色彩バランスと緩やかな曲線を重ねながら、極限までシンプルに自然を表現する田村の代表作でもある「greenscape」をクリニックだけのオリジナルで描きました。 ウォールアートが検査台で見えないのでは？と感じるかもしれませんが、患者さんのためのアートなので、あえての構図になっています。 壁面へ手をのばすと、まるで自分が鳥となって空を飛び、穏やかな入り江の海へ向かっているようです。その空には優しく浮かぶ浮雲が。 そしてキャンバス作品は、エコー検査室へ。検査室の殺伐とした冷たい天井や壁面を感じることが無いように、という思いを込められたlandscapeシリーズのオーダー作品です。 浮きあふがる風景は整然としながらも大地の温かみ、人の心の奥にある原初の風景を思い出させてくれる、そんなyourscapeとなりました。 言葉では語らないけれども、患者さんに温かくそっと寄り添えるアートとなりますように。