ウォールアート(壁画)制作の依頼方法は?費用は?100件以上導入した壁画のプロが解説

2024.04.30
ART×BUSINESS
最近流行っているウォールアート(壁画)。 英語ではミューラルと呼ばれ、主に海外では文化的にも歴史的にも欠かせないアートの一部となっています。最近では日本でも、オフィスや公共施設等への導入が増えつつあるウォールアート(壁画)ですが、いざ制作を依頼しようとすると、依頼方法や制作のプロセス、費用などわからないこともたくさんありますよね。

ここでは年間100件以上壁画制作を手がけるディレクターの平山が、一般的な依頼方法やプロセスについて一通りわかるようにお伝えしていきます。「壁画制作を依頼したいけど、何もかもわからない・・・」と悩んでいる方必見です!

著者 / 監修者ライター

NOMAL ART COMPANY代表/平山美聡
1988年東京都生まれ。2018年壁画事業を始め、今までに合計100件以上のオフィス・公共空間・駅等にアーティストとともに壁画を制作する。豊富なアーティストネットワークから壁画を提案。無料問い合わせ・提案はこちらから
目次
ウォールアート(壁画)とは何か
ウォールアート(壁画)の依頼方法
①エージェントを使用する
②アーティストに直接依頼する
ウォールアート(壁画)の費用
ウォールアート(壁画)制作のプロセス
まずは相談してみよう!

ウォールアート(壁画)とは何か

まず本題に入る前に、ウォールアート(壁画)とは何でしょうか? ミューラルとも呼ばれ、古代の洞窟壁画から最先端のIT企業の社屋に描かれたアートまで、壁に描かれているアート全般を示す幅広い用語となります。
パナソニック,アート

“パナソニック社に手がけたアート例”


所有者の許可を得て壁に描かれるもの全般を示しており、オフィスや商業施設に描かれていたり、外壁に描かれていたりと「何かを伝えるため」に描かれることが多いものと言えるでしょう。
ミューラルアート とは?その意味とは?街を彩る最大規模のアートの役割。海外の事例から、日本でミューラルを楽しめるスポットまで
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ウォールアート(壁画)が与える影響

オフィスや公共施設に描かれた壁画はさまざまな効果を発揮します。雰囲気が明るくなり、空間全体の質が上がることはもちろん、社員同士のコミュニケーションが活性化するというデータもあります。また、自社のカルチャーや哲学を、常に社員の目に入る位置に壁画として掲出していると、カルチャー浸透やインナーブランディングにも効果を発揮します。素敵なアートが飾ってるオフィスは「なんとなくかっこいい」というソフト面のイメージ向上にもダイレクトに影響し、そこで働くことに誇りや意義を感じるといったエンゲージメント強化にも繋がります。

数年前に弊社に壁画を依頼してくださったマーケティング部長の方が、今も採用面談や新入社員研修の時に社内の壁画アートを案内し、活用しているとおっしゃっていました。採用や人材育成の人事的な側面でも、壁画は良い影響をもたらします。

このようにたくさんのメリットがある壁画ですが、いざ依頼しようとすると「サイズが大きくないと依頼しちゃダメなの?」「そもそもどうやって誰に依頼するの?」と気になりますよね。 次のセクションで具体的に依頼する2つの方法を解説していきます。

ウォールアート(壁画)の依頼方法

①エージェントを使用する

はじめて壁画を依頼する方や、アーティストが決まっていない方、会社対会社の取引をしたい方、におすすめなのは「壁画制作エージェントを活用する」方法です。まさに弊社がこれに当たります。
弊社も含めて壁画制作エージェントは複数名のアーティストとコネクションを持っており、ヒアリングを元に適切なアーティストの提案をしてくれます。
パナソニック,アート

“複数名の提案が豊富”


また、アーティストの提案だけではなく、実際の制作の段取り、アーティストとの窓口も請け負っているところが多いので、終了まで安心して任せることが出来るでしょう。ほとんどが株式会社化しているので、会社対会社の取引になります。

概算見積もりの出し方や、最低施工面積、連携しているアーティストやキュレーション方法については各社違うことが多いですが、既にできているものを購入するのとは違い、進め方も様々です。気になる会社には、まず問い合わせてみることをおすすめします。

依頼のタイミングはできるだけ早いほうが希望のアーティストのスケジュールを抑えておくなど調整しやすいですが、急ぎで対応してくれるところも多くあります。1ヶ月を切ってしまった超特急案件なども、とりあえず相談してみると良いでしょう。
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②アーティストに直接依頼する


一方で「この人に頼みたい!!」というアーティストが確定している方は、アーティストのInstagramやホームページから本人に直接問い合わせを送る方法もあります。
その際は「なぜ依頼したいか、描いて欲しい場所、納期、希望のイメージ、自分の情報」等もわかりやすく送るようにしましょう。「費用」についてはアーティストにより異なる場合もありますし、プロジェクト内容によってアーティストが検討する場合も多くあります。 予算がある場合はそちらを最初にお送りしても良いかもしれませんが、失礼に当たるか不安なら「プロジェクト内容をもとに予算を相談したい」旨をお伝えしましょう。

アーティストの元には日々多くのメッセージが届きます。丁寧かつ今決まっている情報に漏れがないように、また「なぜあなたにお願いしたいと思うか」の熱量を伝えていきましょう。一番大切なポイントです。
アーティストによっては所属しているギャラリーやエージェントがある場合もあります。その場合はアーティストの返信に従い、ギャラリーやエージェントに連絡を入れるようにしましょう。
もしもアーティストからの返信がない場合は、エージェントに「このアーティストとのコネクションがあるか」問い合わせてみることをお勧めします。もしかしたらエージェントを通じてコンタクトを取ることが出来るかもしれません。

ウォールアート(壁画)の依頼費用

次に、壁画の費用について。アーティストによって価格の決め方は様々ですが、プロジェクト内容とのバランスを見ながら価格を決めるアーティストが多いように思います。

一般的に壁画制作の時の費用項目を分解すると、以下のようになります。プロジェクトによって必要な項目と必要でない項目がありますが、どのプロジェクトでも基本的にかかりうる費用については★印をつけています。
★材料費(必要な画材等の購入)
★交通・宿泊費
★制作費(アーティストギャランティ)
足場・養生費
壁面清掃費(外壁の場合は必須)
道路使用許可申請費・警備費
ディレクション費(プロジェクトにより発生)
ワークショップ費(プロジェクトにより発生)
前述のようにアーティストがプロジェクトを受けるかどうかは、プロジェクト内容・ギャランティ・納期等を全て勘案して考えることが多いため、一概に「このサイズなら●●である」と断言することはできません。


コミュニケーションを取りながら進めていくほうがスムーズかつ楽しいので、まずは問い合わせすることをお勧めしますが、エージェントに問い合わせた場合は、サイズから概算見積もりを算出することも可能です。 その際は、大体ですが5m×2m程度の壁面(10㎡)で60万円〜120万円程度くらいのイメージを持っていると良いかと思います。

ただ、繰り返しになりますが、大事なのは予算だけではなく、プロジェクト内容とのバランスです。見積もりのみで判断するのではなく、プロジェクト内容の熱量を相談してみることをお勧めします。

ウォールアート(壁画)の依頼プロセス

さて、壁画はどのようなプロセスで実制作に至るのでしょうか? ここでは弊社のプロセスを参考までにご紹介していきます!
①壁画に何を求めているか、希望イメージや予算をヒアリング
②概算見積もりやアーティスト候補資料を元に打ち合わせ
③サイズ、納期、アーティスト、見積もりの決定、契約
④アーティストを含めてキックオフミーティング
⑤ワークショップの実施(ご希望があれば)
⑥ラフ案のご提案
⑦ラフ案を調整し、最終制作に向けて準備
⑧現地で壁画制作。制作ワークショップの実施(ご希望があれば)
⑦納品
①〜⑦までの期間はプロジェクトボリュームによって異なりますが、弊社では最短で1ヶ月、長期のプロジェクトだと1年以上に渡る場合もあります。
パナソニック,アート

“弊社オリジナルのアートを活用したワークショップ”


「壁画に何を求めているのか」はプロジェクトによってそれぞれのはず。色々な事例を見たりエージェントに相談したりして、良い壁画を仕上げていきましょう。

ウォールアート(壁画)の依頼前にまずは無料相談!

いかがでしたでしょうか? 謎に包まれていた壁画制作の依頼方法やプロセスなどが少しでもクリアになり、身近なものになれば良いなと思っております。

通販で決まっている価格や規格のものをポチッと購入する・・・のとは全く異なり、アーティストという人がオーダーメイドで仕上げていく壁画。予想を超えた素晴らしいものが出来上がっていくかもしれません。

硬くならずに「なぜ壁画が欲しいのか」という原点を大切にして、楽しみにながら導入してもらえれば幸いです。
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