オフィスリニューアルで変わる!壁画が生み出すワークプレイス革命〜企業の心を彩る10社の成功事例から学ぶ、働きがいと創造性を育むアート導入の実践ガイド〜

2025.06.22
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ART×OFFICE

オフィスのリニューアルを検討されている総務・ワークプレイス担当者の皆様、こんにちは。働き方改革が進む中、「ただの移転や改装」を超えた、真に価値のあるオフィス空間づくりに悩まれていませんか?

今回は、NOMALARTCOMPANYが手がけた10社のオフィスリニューアル事例を通して、壁画アートがもたらすワークプレイス変革の可能性をご紹介します。これらの事例から、きっと皆様のオフィスリニューアルのヒントが見つかるはずです。

1. パナソニック株式会社 目黒ビル 〜5フロアが織りなす「つながり」の物語〜

パナソニック株式会社の新拠点となったパナソニック目黒ビルでは、「つながる」をテーマに5名のアーティストが異なるフロアを彩りました。このプロジェクトの素晴らしさは、各フロアの機能と使用する部署の特性に合わせて、アートのコンセプトを細かく調整している点です。

食堂に描かれたアーティストKeeenueの【Chance and Necessity】は、偶然と必然が交錯する日常の奇跡を表現しています。人々が軽やかに会話し、交錯していく様子は、まさに食堂という場所が持つコミュニケーション促進の機能を視覚化したものです。

パナソニックのオフィスリニューアルに向けて手がけられたアートその1

ガラス張りの会議室には、アーティスト丸倫徳による【Groovy little thing】が躍動します。家電から家庭へ、家庭から街へと広がるグルーブを表現したこの作品は、パナソニック株式会社の事業領域そのものを表現しています。

さらに印象的なのは、22Fの【THE ORIGIN】です。アーティストtsumichara氏が松下幸之助の著書を読み、その原点を知るところからスタートした七色の捻れる輪は、企業理念の継承と発展を見事に表現しています。

パナソニックの目黒オフィスに描かれた壁画

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 各フロアの機能に合わせたアートコンセプトの設定
  • 企業の歴史と理念を視覚化することによるアイデンティティ強化
  • 社員のコミュニケーション促進を意識した空間設計

2. Meta Platforms, Inc. FacebookJapan 〜実用性とアートが融合したコミュニティウォール〜

Meta Platforms, Inc.の日本オフィスに描かれた「Meta Community Wall」は、コミュニケーションを目的とした実用性とアートが見事に融合した事例です。グラフィックデザイナーでもありペインターでもあるアーティストomiが手がけたこの壁画の革新的な点は、美しさと機能性を両立させたことです。

オフィスリニューアルしたMetaの壁画

オレンジのラインは「繋がる」という示唆と同時に笑顔も表現しており、何人かの人物はラインが入ることで笑顔に見えるという巧妙な仕掛けが施されています。さらに、マグネットペイントが塗布されたキャンバスパーツは、掲示物を傷つけることなく貼ることができ、位置を入れ替えることで常に壁面の新鮮味を保つことができます。

張り巡らされた虹色の糸は、つながりというテーマと共に、LGBTQ+など多様性への配慮も表現した、現代的な感性が光る作品となっています。

ワークプレイスリニューアルのポイント:

  • アートと実用性の両立による投資対効果の最大化
  • 多様性への配慮を視覚的に表現することによるブランディング効果
  • 可変性のある仕組みによる長期的な活用価値

3. 株式会社きのもと商会 〜「好きに描いて」が生んだ自由な表現空間〜

株式会社きのもと商会のフラッグシップオフィスに描かれたアーティストDENPAの壁画は、クライアントとアーティストの理想的な関係性から生まれた作品です。「DENPAさんの好きなように描いてもらって構いません。今は分からなくても、後から社員のリテラシーがついてきますよ」という村山代表の言葉は、多くのワークプレイス担当者にとって参考になるでしょう。

きのもと商会のワークプレイスに描かれた壁画

アーティストDENPAの制作スタンスは、あえての”no concept”。言葉では捉えきれない質感とニュアンスを持つ抽象表現は、純粋な視覚的な快楽を提供し、その場所を心地よくする魔法のような効果を発揮します。

この抽象画は、そこにいる人たちの思い出や経験、そして語られたエピソードを吸い込み、時と共に愛着が湧く、まるで成長する植物のような存在となっています。

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • アーティストへの信頼と自由度が生む予想以上の効果
  • 抽象的な表現によるコミュニケーションのきっかけ創出
  • 時間と共に価値が高まるアートの長期的投資価値

4. 株式会社レーベンコミュニティ 〜企業ビジョンを視覚化する効果的手法〜

マンション総合管理を手がける株式会社レーベンコミュニティの新オフィスでは、会議室へ続く長い廊下に企業理念を視覚化したアートが描かれました。「風通しが良く、コミュニケーションが生まれるオフィスにしたい」という明確な要望から生まれたこの事例は、ワークプレイス担当者にとって大変参考になります。

レーベンコミュニティに描かれた壁画

アーティスト小田佑二が手がけたこの作品は、にじみを効果的に取り入れたスタイルで、光を感じさせる色使いが特徴です。株式会社レーベンコミュニティのスローガン「Go To NEXTSTAGE ともに行こう、次のステージへ」と、ビジョン「ともにはぐくむ。豊かなコミュニティと暮らしの未来を。」が、言葉で表現するよりも感覚的に、そして迅速に伝わる効果を発揮しています。

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 企業理念・ビジョンの視覚化による社員への浸透効果
  • 来客への企業アピール効果
  • 長い廊下などのデッドスペースの有効活用

5. 株式会社ベイカレント・コンサルティング 〜各部署の特性を活かしたアート配置〜

日本発総合コンサルティングファームの株式会社ベイカレント・コンサルティングでは、麻布台ヒルズへの移転に伴い、アーティスト井上純(JUN INOUE)による4枚のアート作品が制作されました。

ベイカレントの新しいオフィスに描かれた4枚の壁画。エントランス。 ベイカレントの新しいオフィスに描かれた4枚の壁画、アーティストJUNが描いた ベイカレントの新しいオフィスに描かれた4枚の壁画、別フロア ベイカレントの新しいオフィスに描かれた4枚の壁画、執務エリア

この事例の優れた点は、各フロアで働く職種の特性に合わせてアートのコンセプトを微調整していることです。営業職種が働く12Fフロアでは、やんちゃでありながら一本筋の通った躍動感を鮮烈な赤で表現。コンサルタントが働く14Fフロアでは、知性や戦略を武器とするイメージで落ち着いたネイビーを差し色に使用しました。

「荒波を乗り越える船乗りたち」というイメージを基調としながら、場所によってトーンを調整することで、それぞれのフロアで働く社員のモチベーション向上に寄与しています。

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 部署・職種別の特性を考慮したアート配置の効果
  • 統一感を保ちながらフロアごとの個性を表現
  • 業務中の制作による社員エンゲージメント向上

6. 日本電気株式会社(NEC) 〜4ヶ月間の共創プロセスによるワークプレイス価値向上〜

日本電気株式会社(NEC)では、食堂リニューアルプロジェクトの一環として、3組のアーティストと社員が4ヶ月にわたって共創し、ボトムアップ式でミューラルアートを制作しました。この事例は、アート制作プロセス自体がワークプレイスの価値向上と社員のエンゲージメント強化の手段となった画期的な取り組みです。

アーティストWHOLE9が担当したスターバックス前の壁面では、「個性の爆発」「多様性」「優しさ」「変化」といったキーワードから、咲き誇る花を「爆発」の象徴として描きました。社員によるワークショップも実施され、シャボン玉の下に好きなモチーフを描いてもらうことで、社員の個性とアーティストの壁画が一体化しました。

WHOLE9が手がけたNEC新食堂のミューラルアートプロジェクト

アーティスト田中紗樹が担当した壁面では、「マクロとミクロ」「宇宙の法則」といった抽象的な言葉をアートとして昇華。

全社配信時の背景としての活用されており、長期的にシンボリックな役割を果たすことが想定されています。

NECの食堂のミューラルアートプロジェクト。田中紗樹が手がける。

アーティストMariya Suzukiの作品では「スタートライン」をテーマに、社内で働く社員や特徴的な社屋、社屋から見える景色をスケッチし、日本電気株式会社玉川事業場の様々な表情が見えるアートとなりました。

NECの食堂のミューラルアートプロジェクト。アーティストmariya suzukiが手がける

ワークプレイスリニューアルのポイント:

  • 長期的な共創プロセスによるワークプレイス価値向上
  • 社員参加型アート制作による当事者意識とエンゲージメントの醸成
  • 複数アーティストによる多様性の表現

7. AGC株式会社 千葉工場 〜環境調和への想いを込めたメッセージ性〜

「工場」聞くと、無機質で硬い印象を持つものではないでしょうか。内職と区分されてリニューアルが取り残されがちな箇所ですが、むしろ工場こそ重要な「ワークプレイス」であり、生き生きと働くための工夫は必要不可欠。

1959年から操業を開始したAGC株式会社千葉工場では、社屋リニューアルの一環として執務エリアのソファ裏に壁画を導入しました。この事例は、製造業における環境への配慮をアートで表現した興味深い取り組みです。

AGCの巨大向上

「エナジズム」という独自のコンセプトで躍動感あふれる作品を作り続けるアーティスト山下良平が、環境との調和を事業の大前提とするAGC株式会社の企業姿勢や、化学のシンボルである「ベンゼン環」をテーマに制作しました。地球と美しい自然を象徴するブルーのカワセミ、ベンゼン環から着想した六角形など、化学の力が広がり、美しい自然と調和を保つ様子を表現しています。

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 企業の社会的責任をアートで表現する効果
  • 製造業でも活用できるアート導入の可能性
  • 小さな面積でも大きなインパクトを与える手法

8. ダイビル株式会社 〜創立100周年の節目を彩る歴史と未来〜

2023年に創立100周年を迎えた大阪のデベロッパーダイビル株式会社では、本社オフィスリニューアルに伴い、会議室2部屋に「大阪の歴史」と「大阪の未来」をテーマとした2面のアートを制作しました。

大阪の過去と未来を描くダイビルに描かれたミューラルアートの下絵

大阪の歴史」を担当したアーティスト丸倫徳は、蛸の松、江戸時代の加賀屋、旧ダイビル前のタクシー停車場、大江橋、水晶橋、難波橋、中央公会堂、大阪市役所など、中之島の歴史的なモチーフを精緻に描き込みました。

ダイビルのオフィスリニューアル、大阪の過去

大阪の未来」を担当したアーティストKATHMIは、「前向きなパワー」「爆発力」「混沌」というキーワードを新しいビッグバンの種として表現。AIとのコラボレーションも取り入れた現代的なアプローチが注目されます。

ダイビルのオフィスリニューアル、大阪の未来

来客も思わず壁画にコメントしたくなる、そんな仕掛けと、大阪への愛が詰まった唯一無二の壁画です。

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 企業の節目を記念するアート導入の意義
  • 歴史と未来のバランスを取った空間演出
  • 地域性を活かしたブランディング効果

9. SCSK株式会社 〜共創拠点としての機能をアートで表現〜

SCSK株式会社の「SCSK LINK SQUARE」では、共創拠点としての機能を壁画で表現する興味深い取り組みが行われました。アーティストWHOLE9が3つの壁画を「Start Together」「Think Together」「Create Together」というテーマで制作したこの事例は、空間の目的を明確に伝える優れた例です。

SCSKの壁画。Start Togetherはアイディアの種がモチーフ

Start Togetherはアイディアの種がモチーフ

最初の壁面では「始まりのタネ」を抽象的に表現し、続く壁面では色とりどりの花が芽吹き舞う様子をカラフルに描きました。最後の壁面では2羽の燕とオリーブが象徴的に描かれ、種・花・成果物へと続く共創のストーリーが完成しています。

SCSKの壁画タイトルはThink Together

グロリオサ、シャクヤク、バラ(桃)、ヒマワリ、ガーベラなどが描かれ、それぞれの花言葉にも意味が詰まっています

SCSKのストーリー性のある壁画

「平和・知恵」の象徴、燕がモチーフ

ワークプレイスリニューアルのポイント

  • 共創拠点としての機能をアートで表現する効果
  • ストーリー性のある連続したアート配置の工夫
  • 来訪者への施設目的の明確な伝達

10. 日本通信ネットワーク株式会社 〜社員の「モヤモヤ」を解消するアート〜

1985年設立の日本通信ネットワーク株式会社では、新オフィス移転後のコミュニケーション活性化を目的に、執務エリアの大きな壁に壁画を制作しました。

日本通信ネットワークの壁画、ワークショップで作成

この事例の特徴は、体験型ワークショップを通して社員の率直な声を汲み取った点です。社員が感じている「モヤモヤ」とした気持ちを汲み取ったアーティストsimoが、『靄が晴れ、色彩豊かな世界が覗く』をテーマに制作。オフィスの壁を「靄(もや)」に見立て、その奥に広がる色とりどりの世界を描きました。

ワークショップで壁画を描く様子

社員参加型で壁画を描く様子

壁画の中心に描かれた青い円形のオブジェクトは、日本通信ネットワーク株式会社の「調和」「透明感」「エネルギー」を表現しています。社員参加型のワークショップでは『社員自身の手で靄を晴らす感覚を味わってもらいたい』という意図も込められています。

ワークプレイス担当者へのポイント

  • 社員の率直な声を反映したアート制作の効果
  • 組織課題の解決手段としてのアート活用
  • 参加型ワークショップによる当事者意識の醸成

まとめ

ワークプレイス担当者が知っておくべきアート導入の7つの効果

これらの10社の事例から見えてくる、オフィスリニューアルにおけるアート導入の効果をまとめてみました

1. コミュニケーション促進効果 | アートは自然な会話のきっかけを生み出し、部署を超えた交流を促進します。

2. 企業アイデンティティを見える化できる | 理念やビジョンをアートで表現することで、社員への浸透効果が大幅に向上します。

3. 採用・ブランディング効果 | 魅力的なオフィス空間は、優秀な人材の獲得や企業イメージ向上に直結します。

4. ウェルビーイング向上 | 美しいアートに囲まれた環境は、社員のストレス軽減とモチベーション向上をもたらします。

5. 創造性・イノベーション促進 | アートが刺激となり、新しいアイデアや発想を生み出すきっかけを提供します。

6. エンゲージメント・チームビルディング強化 | 制作プロセスへの参加を通じて、社員同士の結束力とエンゲージメントが高まります。

7. 長期的投資価値 | 質の高いアートは時間と共に価値が高まり、長期的な投資として機能します。

 

オフィスリニューアルとアート導入を成功させるポイント

これらの事例から学べる、オフィスリニューアルを成功させるポイントをご紹介します:

1. 明確な目的設定 | なぜオフィスをリニューアルするのか、どのような効果を期待するのかを明確にすると、成果のクオリティが格段に上がります。

2. 社員の声を反映 | ワークショップなどを通じて、実際に働く社員の声を取り入れること会社が増えています。エンゲージメント向上の効果も。

3. 専門家との連携 | アートの専門知識を持つパートナーとの連携により、期待以上の効果を実現できます。なるべく初期段階から巻き込みましょう。

4. 長期的視点 | 一時的な装飾ではなく、長期的に価値を生み出す投資として考えることが大切です。

5. 継続的な活用 | 完成後も、アートを活用したイベントやコミュニケーションを継続することで効果を最大化できます。

オフィスリニューアルは、単なる空間の改装ではありません。働く人々の心に寄り添い、企業の未来を創造する重要なプロジェクトです。これらの事例が、皆様のオフィスリニューアルの成功に少しでもお役に立てれば幸いです。


本記事で紹介した企業のオフィス壁画は、すべてNOMALARTCOMPANYが手がけた作品です。詳細な事例については、各リンクからご確認いただけます。オフィスアート導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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